タイのバンコクにあるOne City Centreの広大なランドスケープの1角に位置する21㎡という非常にコンパクトな店舗です。三角形で小さいながらも立地的個性を持った建築の佇まいから、中間領域を持つ日本家屋をモチーフとすることで、コンパクトでありながらシンボリックな空間を目指しました。

踏み石を模したカラーガラスのステップを上り、茶室に見られる小上がりを店舗のフロアレベルとしたアプローチとしました。また、縁側のように迫り出した店舗の床には屋外から腰掛けることが出来ます。カウンターバックにはこの店のアイコンとなるカラーガラスを配し、バリスタの背景から鮮やかな日光が店内に差し込みます。11色の異なるカラーリングは刻一刻と変わるバンコクの空をイメージしており、真っ白いARABICAの世界観に柔らかな色を与えます。カウンター上のペンダントライトには、ケメックス型にカットされた色とりどりなステンドグラスのピースがランダムに吊るされ、風を受けながら揺らぎます。

日が落ちるにつれ一転、店内の明かりは徐々に外へと拡散し、カラフルに光る店舗は敷地裏、そして遠方からのアイキャッチとなります。ファサードをグリーンウォールで覆いランドスケープに溶け込ませる事で店内を際立たせ、オープンからクローズまでの時間帯に合わせて異なる表情を魅せる空間となっています。