Instagram

works

リアス海岸の住宅

for -
2024.08

敷地は目の前に日本海を望む土地で一帯には複雑に入り組んだリアス海岸が広がり、「洞門」と呼ばれるダイナミックな地形の景勝地として知られています。

一方、周辺に目を向けてみると迷路のように入り組んだ路地が独特の街並みをつくり出しています。これは、北風が吹き抜けるのを防ぐために交差部がクランクした枡形構成というこの地域ならではの特色ということがわかりました。その特有の路地構成を1階平面に採り入れることで建築ボリュームを分節し周辺環境との調和を図っています。外観やエントランスホールはリアス海岸をモチーフとした地形のような構成となっており、南側においては建築形状を上階に向かってセットバックさせ丘のような形状とすることで街並みとの連続性を確保しています。一方、北側のファサードは周囲より1段立ち上げ、立体的な桝形構成のような形状とすることで北風が街へ吹き抜けるのを防ぐことを意図しています。外部仕上に関しては、下部が岩肌で上部に木が生い茂るリアス海岸の外観的特徴を建築にも呼応させるべく、下層には洗い出しによって骨材をあらわにした岩肌のようなコンクリートを、上層には杉板型枠による木目調のコンクリートを採用しました。

この時の流れによって風化したような外壁の表情は、古くから残る板塀の住居が多く残っている周辺環境とも調和しています。また、洗い出しによって表面に現れてくる骨材も杉板型枠材も共に地域で採取できる材料を利用しており、その土地ならではの素材による表情が、立地固有の情景を未来に紡いでいくことを期待しました。加えて、この2段構成は、内部空間の仕上げにも適用することで建築との統一感をつくり出し、内外の一体感の醸成にも貢献しています。



Project member

Yosuke Ando, Munaki Okamoto, Daisuke Okazaki, Yuri Murakami

Photographer

Takumi Ota

Structural Design : TETSUYA TANAKA STRUCTURAL ENGINEERS
Landscape Design : SOLSO

Instagram
MENU OPEN
MENU CLOSE