OMO型店舗でありながら、テックに寄りすぎない人間的な消費の在り方を体験できる場を作る。

百貨店ならではの【編集】というキーワードをもとに、余白のある世界観の構築を目指した。ストア全体は2本の太い導線がクロスした空間構成となり、各エントランスから十字路に向かってわずかに先細りとすることで、没入感を強めている。十字路にはBASEと呼ばれる4つのエリアが隣接し、共通した世界観の中でそれぞれに素材の個性を与えている。天井が低く半地下のような既存の特性を活かし、彩度のないワンカラーの世界に、あえて暖かみを消したブルーの塗り床が【少しの違和感】として未来の兆しを感じられるようなアソートカラーとなっている。2本の通路には、有機的な曲線を描いた光のラインが奥へと誘引し、シルバーからブルーのグラデーションを施したトタンパネルはブルーモーメントを彷彿とさせ、立地ならではのやんちゃさを演出しながらも特別な体験を提供する。

もう一つのキーワードである【サスティナブル】に於いて、ブラウン管を再利用した破砕ガラス、ストランドボード、再生アルミといったエコマテリアルを各所に使用している。またPOPスタンドやライザーアイテムといった細部にも今回の施工で生まれた端材をベースに全てを賄っている。